あぁ哀愁のつみれ汁よ…(from AME)

2015年06月03日

あぁ哀愁のつみれ汁よ…(from AME)冬が終わりに差し掛かった頃、我が家の食卓には「つみれ汁」が出てきた。

だいたいこういう汁物は各家庭で味が違うものである。筆者の食卓でのつみれ汁のこだわりがいくつかある。まずはイワシのすり身。このイワシのすり身が問題なのである。最近のイワシのすり身はペースト状になってしまったものが多く出回っており、すでに甘めの味がつけてある。ともすると練り物のような感じになってしまう。これは全く我が家の口に合わない。母が作るつみれ汁は生のイワシを叩いたものだけを使用している。この方がダシの方がよく出る上に食感も抜群にいい。

汁の味は若干濃い目。醤油とカツオダシを少し。アルコール系として酒は入れるものの、みりんなどの甘味があるものは一切使用しない。これが我が家のこだわりである。またすり身は練りすぎないこと。練りすぎてしまうと独特の粗みじんの食感が損なわれてしまうからである。そこに塩・ネギ・ショウガを加えてイワシ独特の風味は残しつつというかたちでつみれにするのである。

本当は他の具を入れるのは好まれないが、今回の場合は豆腐と白菜を入れてつみれにさっと火を通したところででき上がり。ここに柚子の皮をおろしたものや小口のネギ、七味唐辛子などを振っていただくのである。

何か哀愁を感じてしまうような味であった。みそ汁にしてもそうなのだが、出来合いの汁物の中にはずいぶん大味なものもあって繊細さにはかけているかなという感じを覚えるのだが、このつみれ汁にはそれがなかった。特に寒い時期にはたまらないものである。鍋物は嫌いだが汁物なら筆者も何の問題はない。こういう家庭の味が消えて行くという傾向にあるとしたら非常に悲しいことである。

我が家のつみれはショウガが効いているのが何ともいえずいい。ショウガもかなり粗めに刻んであるので、ショウガのピリッとした感じも楽しめる。季節によっては青じそなんかを入れることもある。この青じその香りがまたアクセントになる。ネギは青い部分を入れるのが特徴である。

こういうときにダシの効いた汁物を飲んでいると何だか自分の生きていることを良かったと感じてしまう。感動して涙が出てもおかしくない。まぁ家族の前で涙なんか流さないのだが(笑)。しかしそこには日本人の持つ独特の心というか思いが込み上げてくる。あまり大げさに鍋物にしたりすると嫌なのだが。


あぁ哀愁のつみれ汁よ…(from AME)普段はみそ汁の方が好きであまりすました汁物には手をつけないのであるが、このつみれ汁は絶品である。母に感謝である。まずもともとこの作り方を私から見て母方の曾祖母のを見て習ったという。そのやり方を知らなければ今のこのご時世でこんな汁物は飲めないからだ。その中に日本の悲しみや憂いを思い出しながらも生きて行く喜びを感じてしまうのである。

もう一回ポイントを。第一にスーパーの魚コーナーでも生のイワシを叩いただけのイワシのすり身を買うことである。これが基本中の基本となることをお忘れなく。


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Posted by sansanhiroba at 11:31│Comments(0)メンバーコラム日記
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